設定保育(一斉保育)と自由保育

一般的に保育の方法として「設定保育(一斉保育)」と「自由保育」に分けることができます。

設定保育(一斉保育)とは、目標やねらいに添って、みんなで一緒に絵を描いたり、工作をしたり、体操をしたりするものです。
ただし、登園から朝のお集まりまでの間は自由に過ごすことが多いようです。
 
それに対し、自由保育は解釈の仕方で大きく変わります。
自由保育のはじまりは「個人の根本的独自性を根本とする」という保育理論に基づいています。
 
「自由」に対する解釈は広範囲で、「自由奔放に遊ばせる=のびのび育つ」という考えの元、お弁当の時間以外は全くの自由という園もあるようです。いい言い方をすれば放任、悪い言い方をすれば、けじめがないとなるのかも知れません。
実際、先生の目が届かない部分が多くなることから喧嘩や転んで怪我をするようなこともあるようですが、「昔は多少の怪我や喧嘩するのは当たり前だった」という考えの保護者様には問題無く受け入れられているようです。
 
また、全体をいくつかのグループに分け、ブロックごとに決めた内容(お絵描き、外遊び等)に自分でその中から選択する、という方法を採用している園もあります。自分がやりたいことを自主的に選択し、そのグループの中では協調するという二つの点を兼ね備えています。
 
さらに、全て自分たちが何をしたいかを自発的に考え、園はその結果に合わせ準備しそれに添って行動させる、何をするかみんなで話し合いをさせて決める、という園もあります。
自由保育の園の中には運動会や楽器演奏といった一斉行事を行うことはしないとする園もあります。
 
一斉保育は協調性が身につくことが考えられますが、逆に「好きなことをしていい」と言われた時に、自分から考え行動することができない「指示待ち」な子供になると考える人もいます。
対照的に自由保育は自らの行動はできる代わりに集団行動がとれない協調性の無い子供になる可能性も考えられます。小学校での学級崩壊の原因は自由保育にあると考える人もいるようです
 
一斉保育に比べ自由保育は先生のスキルや園の考え方により内容が大きく変わるため「うちの園は自由です」という園を選択する場合はより注意して見極めることが大切です。
 
保育はバランスがとても大事です。
いずれにせよ、一斉保育だから画一的、自由保育だから無秩序となることないように、どちらもバランス良く身につけさせていくのが本来は理想なのではないかと思います。