子どもの熱中症 症状の種類と対策は?
夏に注意しなくてはいけないのが「子どもの熱中症」です。気温が35度以上になることも多くなる中で、子どもには熱中症にかかりやすい理由があります。最悪の場合、死に至る危険性もある熱中症について、原因と対策、かかってしまった場合の対処方法を紹介します。
目次
■熱中症とは
人は外気温が高かったり運動したりして体温が上がった場合、汗をかくことにより体内の熱を放出し体温調節をしますが、大量の汗をかいて脱水状態になると、汗をかくことができず、体内の熱を放出することができなくなります。
そういった状態での体温の上昇による、めまい、体がだるい、けいれん、意識の異常などの症状を引き起こした状態を総称して熱中症と呼びます。
※家の中にいても室温や湿度が高いと熱中症になる場合があります。
■子どもの方が熱中症にかかりやすい理由
子どもは汗腺などが未熟なため体温調節機能が苦手です。汗をかく機能が弱く身体に熱がこもりやすくなるため、体温が上昇しやすくなります。
路面温度が高い場合、大人の身長での温度と比較して子どもの身長での温度では、照り返しの影響で高い温度にさらされることになります。
幼稚園に通う年齢になると自分の意思で水分を補給できるようにはなりますが、遊びに夢中でつい水分を摂ることを忘れてしまうことがあります。
■熱中症の種類と症状
熱中症は以下の4つの症状に分類されます
・熱疲労
大量に汗をかくことによる脱水症状、血圧が低下して起こります。
症状:目眩、倦怠感、吐き気、頭痛
・熱失神
熱失神は皮膚血管の拡張により血圧が低下し、その影響で脳血流が現象して起こります。
症状:目眩、顔面蒼白、失神、脈拍が早くなる、脈拍が弱くなる
・熱けいれん
大量に汗をかいた後に水のみの補給をした場合、血液中の塩分濃度が低下して起こります。
症状:筋肉の痙攣、痛み
・熱射病(日射病)
体温の上昇による中枢神経の異常により起こります。
症状:反応の低下、ろれつが回らない、意識を失う
この中で「熱射病(日射病)」は死に至る場合があるため特に気をつける必要があります。
■熱中症にかかってしまった場合の症状別対処法
・熱疲労および熱失神
大量に汗をかいたことが原因のため、涼しい場所で休み、スポーツドリンク等で水分を補給します。
横になる場合は足を高くします。
・熱けいれん
血液中の塩分濃度が低下しているため、生理食塩水などで塩分を補給します。
症状が回復しない場合は救急車を要請することも必要です。
・熱射病(日射病)
生命の危険があるので救急車を要請し医療機関に受診することが必要です。
- 受診できるまでの間も体温を下げるための対処をします。
- 涼しい場所、日陰に移動し、衣服を緩める
- 足を高く、安静に寝かせる
- 身体に水をかける、濡れタオルをあてる
- 首、脇の下、足の付け根を冷やす
- 飲めるようであれば、水分を少しずつ取らせる
■熱中症予防・対策
熱中症予防のポイント
- 部屋の温度管理は大切です。エアコン・扇風機を上手に使い、室温28℃を越えないようにしましょう。
- のどが渇いた時の水分補給だけでなく、渇かなくてもこまめに水分補給をさせるようにしましょう。
- 外出時は涼しい服装に心がけ、帽子をかぶらせる等の日よけ対策も忘れずにしましょう。
- 気温が35度を越えたら、外での遊びや運動は控えましょう。