手足口病の症状と予防方法

代表的な夏風邪として挙げられることの多い「手足口病」「ヘルパンギーナ」「プール熱」の中から、今年、この10年で2番目に多いと報告がされている「手足口病」についての情報です。

■手足口病とは

手足口病はコクサッキーウイルスA‐16、A‐10、エンテロウイルス71、コクサッキーウイルスA群(5,7,8,10)、コクサッキーウイルスB群(2,3)、エコーウイルス11などによって引き起こされる急性ウイルス感染症、夏風邪の一種で、名前の通り、手のひら・足の裏・口の中に水ぶくれ状の発疹が出来ます。
多くは0〜4歳の乳幼児ですが成人でも発症する可能性はあるとされます。
また、まれにエンテロウイルス71型によるものとされる髄膜炎が合併することがあります。

■手足口病の感染ルート

感染経路は口からのウイルス侵入で、感染した子どもの咳やくしゃみによる飛沫、あるいは接触で感染します。
ウイルスはまず喉と腸の中で繁殖し、その後血液の中で増殖し症状を表します。

■手足口病の症状

潜伏期間は3日から5日程度。
1/3程度の割合で38℃台の急な発熱の後、手のひら、手の甲、足の裏、足の甲、膝伸側部、臀部に発疹が出来ます。
発疹は3〜5ミリの紅斑に2〜3ミリの水疱を伴います。
通常、発熱は2〜3日で収まります。

■手足口病にかかってしまったら

手のひらや足の裏に水疱ができたら、皮膚科または小児科を受診してみましょう。
ただし、手足口病に対する有効な治療薬はないため発熱や痛みに対する治療となります。
口の中の発疹が破れると痛みがあるため食事や水分が摂りにくなりますので、熱いもの、塩味や酸味の強いもの、堅いものはなるべく避け、柔らかく刺激の少ないものを選びましょう。
特に夏場は水分不足になると熱中症の原因にもなることがありますので、十分な水分補給をさせるよう心がけましょう。

■手足口病予防・対策

こまめに手を洗う
うがいを励行する
症状がみられる場合、咳やくしゃみによる感染を防ぐためマスクをつける
タオルの共用を避ける

■出席停止について

幼稚園や保育所の出席停止基準は学校伝染病第3類に属し、出席停止の基準の2のただし書き※による。

※「治癒するまで、ただし、学校医その他の医師において適当と認められる予防処置をした時、または病状により伝染のおそれが無いと認めたときは可。」

通常、発疹は数日で治りますが、便の中には1ヶ月程度ウィルスが排出されるといわれるため、感染のおそれが無い、という明確な判断は難しいところです。